烏峠稲荷神社本殿
概要
- 指定種別:村指定 有形建造物
- 指定時期:昭和51年6月22
- 所在地 :泉崎字烏峠1
- 所有者 :個人所有
烏峠稲荷神社は泉崎村で最も高い山である烏峠(標高486m)の山頂にあります。
神社ができた由来は古く1200年以上前にさかのぼります。
現在の社殿でもっとも古いのはこの神社の本殿で、江戸時代につくられたものです。
本殿には、いたるところに見事な彫刻が施されています。
また、彫刻の一部には赤や青、黄色などの顔料が残っていることから、つくられた当初は色彩豊かな建物であったと考えられます。
烏峠稲荷神社は古くから白河地方を納めた盟主が大切にしてきた神社です。
例えば現在の本殿は白河藩主松平定信が修復したときに出来たものです。
しかし、建物が老朽化し倒壊するおそれがでてきたことから神社と役場が協力して平成21年に大規模な修復作業が行われました。
烏峠稲荷神社本殿の彫刻
本殿の壁面には七福神が書を書いたり囲碁をしている様子が彫られています。
左は大黒天と弁財天、右の写真には恵比寿と福禄寿とみられる神様がいます。
本殿のいたるところに人物や動物が登場して何かの場面を表現しているような彫刻があります。
これは「二十四孝」といわれる中国の道教の教えで、様々な親孝行の考え方を示したものです。
神社の最上部にある鳳凰と黄龍は中国霊獣で四霊と呼ばれるうちの二つです。
他にも霊亀と麒麟が表現されています。
烏峠と八朔大祭
烏峠稲荷神社では様々な神社行事があります。
なかでも一番有名なのが秋の収穫祈願祭である八朔大祭です。
旧歴の8月1日(八朔)に開催されるこのお祭りには、かつて北は山形県から南は栃木県まで多くの参拝客が訪れました。
上の版画は昭和30年に泉崎第一小学校の6年生が制作した八朔大祭の様子です。
右下の汽車から人々が行列をなして山頂を目指し山頂境内では踊りでにぎわう人々の姿が表現されています。
この版画「とうげさま」は全国コンクールで特選に選ばれました。