観音山磨崖供養塔婆群
概要
- 指定種別:県指定 史跡
- 指定時期:昭和48年3月23日
- 所在地 :踏瀬字観音山1
- 所有者 :踏瀬区共有
観音山磨崖供養塔婆群は、今から約700年前の鎌倉時代につくられた仏教彫刻です。
自然の崖面に仏教の経典にある梵字(サンスクリット語)が書かれた塔や阿弥陀如来像などの彫刻がつくられています。
この遺跡がつくられた鎌倉時代は戦乱の世で、日々繰り返される戦には一般庶民も強制的に参加させられました。
仏教では殺生は最大の罪とされていますが、戦では避けようがありません。
そこで、少しでも功徳を重ね悪行の罪を軽くしようと残されたのがこの供養塔であるといわれています。
高速道路が出来る前の踏瀬観音山
上の写真は高速道路が建設される前の観音山です。
写真の下には磨崖仏、その上にいくつか穴が開いていますが、この穴は実は古墳時代につくられた横穴墓なのです。
仏教において功徳をつむ一番の方法は、何かを供養するためにお経を唱えたり、仏教の神様を祀ったりすることです。
しかし、現代の墓参りのように亡くなった家族の供養するのは当たり前のこととされ、功徳にはなりません。
そこで、誰だかわからない人のお墓(横穴墓)に葬られた人を供養するためにこの磨崖仏がつくられたと考えられます。