国道4号線の西100mほどのところから東北高速道の下にかけて、岩肌に彫られた磨崖供養塔婆群があります。
高さ 10m、幅38mの岩肌をおよそ七段に分けて彫り、俗に五百羅漢といわれていますが、この中には弘安8年(1285)7月の墨書銘のある板碑をはじめ白・ 赤・青・黄の漆喰の痕跡がかすかに残る浮彫阿弥陀三尊来迎像や陰刻線彫の五輪塔など、大小320余の事例を数えます。
板碑は板ほとけ、青石塔婆などともい われる石塔婆の一種で、秩父や阿波産の緑泥片岩を用い、頭部を三角形、その下に二条の横筋を刻み、下に種子や仏像、銘文を彫ったもので、関東に多くみられ、追善供養、逆修供養など仏事のために造られました。この観音山磨崖仏は、東北の中世仏教を考える上での重要な遺産として、福島県の重要文化財に指定されています